評論
されく魂 わが石牟礼道子抄
何十年追いかけても石牟礼道子は捕まらない。
その言葉は、はみ出しあふれ出し時には飛び去る。
はるかに高いところへ遠いところへ。
石牟礼道子は存在自体が一つの文学的な奇蹟である。
されく(さまよう)魂をもつ作家の奔放に豊潤に湧きいずる言葉の数々を追いつづけ、それらに真摯に対峙した渾身の論考集大成。
この人の文学は既成のどんな枠にも収まらないくせに、解釈の困難を遙かに上回る魅力を湛えている。(・・・・・・)
彼女の文学には構造がない。設計図を描いて、部品を作って、組み立てるという工学的な手段に依ることがまったくない。作品は書かれつつあるその先端からつぎつぎに生まれる。枝の先に花が咲き実が生るように生成される。
作品情報
< 目次 >
「まえがき」まがい
I
『苦界浄土』ノート
不知火海の古代と近代
水俣の闇と光
明るくて元気で楽しそう
世界文学作家としての石牟礼道子
「日本文学全集」『石牟礼道子』解説
『評伝 石牟礼道子————渚に立つひと』文庫版解説
II
書評『最後の人————詩人 高群逸枝』
書評『葭の渚————石牟礼道子自伝』
書評『不知火おとめ————若き日の作品集1945-1947』
書評『無常の使い』
書評『完本 春の城』
書評『道子の草文』
III
ぼくのもとに無常の使い
石牟礼さんがお果てになった
夢とうつつを見る人
されく魂————石牟礼道子一周忌に寄せて
あとがき
発売日:2021年2月22日
発行:河出書房新社
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公開:2021年03月13日 - 最終更新:2021年07月10日