共著・編著
失踪者/カッサンドラ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 Ⅱ-02)
池澤夏樹=個人編集 世界文学全集
故郷プラハを追われて新大陸アメリカを彷徨する17歳の青年の孤独と遍歴の物語と、未来を予見する力を持つ王女カッサンドラの視点から、トロイア戦争を読み替えた女性作家の代表作。
故郷プラハを追われた青年は、剣をもつ自由の女神に迎えられ、ニューヨーク港に到着する。しかし、大立者の伯父からも放逐され、社会の底辺へとさまよいだす。従来『アメリカ』という題名で知られたカフカ3大長編の一作を、著者の草稿版に基づき翻訳した決定版(『失踪者』)。自国の滅亡を予見した王女カッサンドラは、だれからも予言を聞き入れられぬまま、歴史を見守ってゆく。自らの死を前にして女性の側から語り直されるトロイア滅亡の経緯。アキレウス、アガメムノン、アイネイアス、パリスら、ギリシャ神話に取材して展開される壮大な物語(『カッサンドラ』)。20世紀を代表する2人のドイツ語作家の傑作を収録。
〈ぼくがこの作品を選んだ理由 池澤夏樹〉
「失踪者」
若い男がアメリカをさまよう。『オン・ザ・ロード』のサル、『ライ麦畑でつかまえて』のホールデン、その前に『失踪者』のカール・ロスマンがいた。アメリカを知らないカフカが書いたアメリカは夢のようで、悪夢のようで、それでいてとてもリアルだ。
「カッサンドラ」
惨事が予見できるのは恐ろしい。その予言を誰も聞いてくれないのはもっと恐ろしい。古代のカッサンドラはその運命に怯えたが、現代のカッサンドラは敢えてその運命を選び取る。英雄譚が女たちの側から書き直される。剣と楯の戦いよりずっと深い魂の戦いが始まる。
作品情報
発売日:2009/2/11
出版社:河出書房新社
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公開:2015年11月03日 - 最終更新:2019年03月18日