池澤夏樹(いけざわ・なつき)
作家。1945年、北海道帯広市に生まれる。小学校から後は東京育ち。
30代の3年をギリシャで、4-50代の10年を沖縄で、60代の5年をフランスで過ごして、今は札幌在住。
ギリシャ時代より、詩と翻訳を起点に執筆活動に入る。
1984年、文明への懐疑と人間の性を描いた『夏の朝の成層圏』で長篇小説デビュー。1987年発表の『スティル・ライフ』で第98回芥川賞を受賞し、ワープロで書いた初めての芥川賞作家となる。その後の作品に『母なる自然のおっぱい』(読売文学賞)、『マシアス・ギリの失脚』(谷崎潤一郎賞)、『楽しい終末』(伊藤整文学賞)、『静かな大地』(親鸞賞)、『花を運ぶ妹』(毎日出版文化賞)など。
自然と人間の関係について明晰な思索を重ね、数々の作品を生んでいる。
2014年より全著作の電子化プロジェクト「impala e-books」を開始。また「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」全30巻に続き、「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」全30巻の刊行を開始。
世界を辺境から見つめるのが池澤夏樹流。文学の眼鏡と科学の眼鏡を携えて、今日も旅先で執筆を続ける。
池澤夏樹 公式サイトcafe impala について
2001年9月11日の事件をきっかけに、池澤夏樹はメール・マガジンの配信を開始しました。世界の状況を読み解き、来たるべき時代についての思索を広くシェアするために、毎日執筆し、配信しました。その窓口として、配信されたメール・マガジンのアーカイブとして、WEB サイトcafe impalaは誕生しました。
cafeと名付けたのは、かつてパリのカフェで人々が出会い、議論をし、そこから多彩な芸術が生れ、フランス革命への道が開かれたように、“議論をする場あるいはきっかけ”となればという願いからでした。
impalaは池澤夏樹のエッセー「インパラは転ばない」に登場する、平坦ではない原野を素早く走り抜けることができる動物です。
9.11をきっかけに始まったメール・マガジン「新世紀へようこそ」は「パンドラの時代」、「異国の客」と続き、同時にcafe impalaは池澤夏樹の仕事や書評などのアーカイブも加わり、池澤夏樹の公式サイトとして発展してきました。現在は、池澤夏樹の全作品の電子アーカイブの構築を進めています。これからもますます広く深く池澤ワールドをご紹介して行きます。