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【本日の栄町市場】
最近のてんぷらの料金のスタンダードは80円だ。これは、私の狭い行動範囲内のデータなので、学生の多い店や那覇以外だとまた違うのかもしれない。
沖縄の天ぷらは衣が分厚い。天つゆやお塩で頂く上品な食べ物ではなく、おソースで部活帰りや仕事の合間に食べるのです。買い食いランキングがあるならば、きっと1位に違いない。「おやつ」的な要素が強い食べ物なのです。
立派な沖縄人ならば、きっと贔屓のてんぷら屋があると思う。ちなみに、私の贔屓は栄町市場内にある「K家」だ。てんぷらだけでなく、おかずもジーマミー豆腐も人気。
ランチタイムの300円日替わり弁当は、早く買わないと売り切れてしまう。イートインもできるのだが、カウンターはすぐにいっぱいになって座ることができない。弁当なのに揚げ物が少なく野菜が多いのが人気の秘密じゃないか、と分析するのは向いの店主のKさんだ。私とKさんはあまり店頭に出てこない南瓜コロッケの大ファンだ。
話が逸れた。「K家」のてんぷらは衣がカリッと揚がっていて、冷えても美味しい。しかも、値段は50円。
この価格は、8歳の私がはじめて市場を訪れたときから変わっていない。8歳の子供が50円を握りしめて買っていたてんぷらを、大人になっても仕事の合間に50円で買い食いしているんだから、成長がないと言うよりは、偉大なる不変とでも言いたい気分だ。
おじさんのてんぷらさ、ずーっと50円だよね?
「そうだよ。百年前から50円だよ」と、おじさんはニッと笑った。
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