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【本日の栄町市場】
最近、毎日やってくるのは7歳のRちゃんだ。春休みということもあり、時間が有り余っているようだ。毎日、何度もスケボーを片手に、あるいはローラーブレードを履いて、店にやってくる。
「おばけの本を読みたいー」「この本はおもしろくない!」と納得いくまで本を探し、やっと満足いくものを見つけると、黙々と読み始める。
少し前に、いとこだという女の子とふたりでやってきて、店番するカウンターを乗り越え、本の山を登って大きな雪崩を起こした。
本棚の一番上にある本を手に取りたかったらしい。こらー!と一応、怒るわたしにふたりは本を見つけたーと得意げだ。
Rちゃんは市場で一番賑わっている八百屋兼食料品店Hの孫娘の娘だ。Rちゃんとそっくりで目がくりくりの母親は毎日店先に立っている。
Hで買ったチョコレートを小書店で食べていると、Rちゃんがやって来た。
「食べる?」とわたし。「うん、食べる」とRちゃん。
他のお客さんが来たり、作業をしている間、Rちゃんがパクパクと食べたチョコレートはすっかり空っぽに。
「食べる?あと1個あるよ」とRちゃん。「うん」とわたし。
春休みも今週でおしまい。小さなお客さんともしばしお別れかと思うとちょっとさびしい。
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