【本日の栄町市場】
栄町の東口から入って、メインストリートを真っ直ぐ歩いて突き当たった場所。
そこで野菜を売っていたおばあさん。向かいの店主Kさん曰く、40年以上座っているんじゃない?私が来る前からだから。
そのおばあさんが5月に入ってから姿が見えなくなっているという。市場の人々の証言。腰を悪くしたってよー、いやいや家の都合みたいだよー。
ついさきほど、おばあさんがKさんを訪ねてきた。旧盆の買い物で久しぶりに市場へ来たという。
「もー、こんな長い付き合いなのに最後の挨拶もないからびっくりしたよー。元気そうでよかったよー」
「ウトゥ(夫)が倒れてから歩けなくなってよー。腰も痛かったしさー、もう誰にも言わないでやめたよ」
「家での仕事はもう嫌だ。やってもやってもうるさい!」
「そうそう、やってあげてもグチグチ言うでしょう?引き合わんよー」
「でも、長い間仕事お疲れさまって孫たちがパーティーしてくれたさー」
ひとしきり話したおばあさんは、じゃあ!と片手を上げて元気に店を出ていく。
市場での引き際はひっそりと。誰にも言わない、誰にも迷惑を掛けない。
自立した市場の女性ならではだと思った。
店も人もこんな風に忘れられていくのがいいな。
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