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【本日の栄町市場】
「拓水」は事業家だ。市場の南口に鮮魚店を構え、その隣には最近オープンした食堂が併設されている。食堂は魚屋の隣にあるのだから、新鮮で美味しい食事ができるのは間違いない。
創業は12年前くらいではないですかねー、とおばさんが言う。元々は栄町市場の他の鮮魚店で働いていたおじさんが、独立して南口に「拓水」を始めたのだそう。
夕方の早い時間から飲み始めるお客さんは、向いの餃子屋さんでお酒を頼み、「拓水」で刺身を買う。これから始まる夜に備えてゆっくり刺身をつまむ姿はいつも幸せそう。そして、美味しそう。
もうひとつ、東口の通りにも「拓水」の支店のてんぷら専門店がある。魚やイカが人気みたいだ。魚介類だけでなく野菜のかき揚げや芋てんぷら、豆てんぷらも並ぶ。わたしはイカてんぷらと豆てんぷらが好き。食べ始めると止まらない。
今日も南口にはいつものお客さんがお酒を飲み、向かい合うように「拓水」のおばさんが店の前に座っている。
「拓水」の前を通り過ぎるたびに、「刺身、食べていけば~」とお客さんが声を掛けてくれる。おばさんは椅子に座ったまま頷く。いつもの光景。すごく好きな毎日の光景だ。
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