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【本日の栄町市場】
いつも静かな昼の栄町市場が正月前になると、客が増え賑わう。その賑わいを見るのが楽しみで、用もないのに何度も市場の中をアッチャーアッチャー(散歩)してしまう。
肉屋も八百屋も乾物屋も花屋も店員を増やして臨戦態勢だ。
しかし、どの店も店主と店員の顔がどことなく似ている。なかには、そっくりな顔が並んでいたりして二度見してしまうほどだ。
市場で何が起こったのか。いつもの何倍も忙しくなる店を手伝うために家族が助っ人として登場しているのだ。
子どもたちが手伝うことが多いようだ。年に一度か二度しか店に立たないはずなのに、客さばきも馴れたものでチームワークも完璧だ。仕事を休んで親の店を手伝いに来ているみたいだ。正月用の買い物に混乱しているおばさんたちを素早く落ち着かせていく。
子どものころから手伝っているから体が覚えているのか、文字通り親の背中を見ていたのか。
市場で育った子どもは逞しくて家族想い、という勝手な持論がまたひとつ増えた。
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