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共著・編著

クーデタ
(池澤夏樹=個人編集
世界文学全集 Ⅱ-05)

池澤夏樹=個人編集 世界文学全集

著者:ジョン・アップダイク
翻訳:池澤夏樹

アフリカの沙漠の国の大統領が、4人の妻と愛人、有能な大臣、アメリカ、ソ連などとの駆け引きの結果、政権から逐われていく。アメリカ化する世界をアフリカの架空の国に投影した傑作長篇。

北半分はサハラ沙漠、南の国境沿いに大河が流れるアフリカの内陸国クシュ。5年にわたる旱魃により飢餓に苦しむこの国を、クーデタで政権を奪ったエレルー大統領が支配する。アメリカ帰りの独裁者はイスラムの教義を信奉し、アメリカの援助を拒絶して独立国家として生きていこうとするが、4人の夫人と新しい愛人、先王エドゥムー4世、事実と数字の人間である内務大臣のエザナ、友邦ソ連の酔いどれ軍人などとの駆け引きの中で次第に自由を奪われていく。緑一色の国旗を翻して荒涼たる大地を経めぐる大統領のメルセデス。国境を越えて入りこむ7‐UpやCoca‐Colaなどのアメリカ文化。イッピ地溝帯にある「興味深い物質」とはいったい何なのか。コーランの朗誦が響きわたる冷戦時代のアフリカを舞台に、戦後アメリカ最大の作家が巧みに構築した物語。

 

〈ぼくがこの作品を選んだ理由 池澤夏樹〉

アップダイクはアメリカの中流の暮らしを描くのがうまい。だが、海外に出て、少しだけ幻想に寄った話を書くともっとうまい(『ブラジル』とか)。ぼくは自分のアフリカへの憧れに重ねてこの小説を読み、好きになって、訳した。今でもとても好きな話だ。

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    作品情報

    発売日:2009/7/11
    出版社:河出書房新社